[Interview] 秋元真夏が乃木坂46で見つけた新しい自分

「アイドルが楽しくてしょうがない」と満面の笑みで語るのは、まもなく結成から4年を迎える人気アイドルグループ・乃木坂46の秋元真夏。チャーミングな笑顔と握手会での好対応でファンの心を掴み、バラエティ番組のムチャぶり企画にも体当たりで挑む姿勢が好感を呼んでいる。同時にグループ1のイジられキャラとしても愛される存在だ。

そんな秋元が今、心血を注ぐ乃木坂46の活動。その活動を追った初めてのドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』が、7月10日より全国で公開された。本作では常に回り続けていた記録用カメラの映像や、新たに撮り下ろしたメンバーとその母親のロングインタビューから、彼女たちの素顔に迫っていく。
「アイドルのドキュメンタリー映画と聞くとAKBさんの作品が真っ先に浮かぶんですけど、そういう裏側を追ったものとはまたちょっと違う作品になっています」と秋元が紹介する通り、AKB48のドキュメンタリー映画がアイドル活動の舞台裏を中心に描いているのに対し、本作ではグループの歩んできた軌跡を辿りながらも、よりメンバー個々のパーソナルな部分に焦点を当てている。

■映画のテーマは「人は変われる」 秋元真夏に訪れた変化とは?

秋元真夏は高校3年の夏に乃木坂46のオーディションに合格するも、学業のため活動を休止。大学進学後、4thシングルから乃木坂46に復帰した。
彼女が休業していた期間は、ちょうどグループがデビューし、右も左も分からない少女たちが手探り状態でアイドルとしての1歩を踏み出した時期。今回の映画には秋元が初めて目にする当時の映像も含まれていた。「『乃木坂は下積みがない』って言われるんですけど、私から見ればその辺は結構大変だった時期。みんなが頑張ってきたことを、あらためて知ることができました」と無我夢中で邁進する仲間たちの姿に感銘を受けた。「その時期がなかったら今の乃木坂はないと思うので、つらくなった時も『みんなが頑張ってくれたから今がある』っていうことを思い出して頑張らなきゃ」と身を引き締める。

劇中ではメンバーがそれぞれに抱えるグループ加入前の過去を隠すことなく語っている。普段、メンバーとは「仕事の話とか今後の話は多いけど、過去の話をすることはあまりない」そうで、完成した映画を通じて初めて知る話も少なくなかったという。
中でも強く印象に残ったのは、過去3作のシングルでセンターを務めている西野七瀬の中学時代のエピソード。「“輝いているところにいる子”っていう私の勝手なイメージがあったんですよ。そういう子が乃木坂に入る前は普通の子で、引っ込み思案で人見知りだったけど、輝ける場所に立って、センターになった時に自覚を持ってグループを背負っていくっていう、そういう物語も見れてよかったです」と新たな発見によってメンバーへの理解も深まった。

西野七瀬のエピソードのように、映画では乃木坂46メンバーのグループ加入前と加入後、そして乃木坂46として活動していく過程での変化や成長が、1つのテーマとして描かれている。劇中で過去を打ち明けている他のメンバーと同じように、秋元もまた乃木坂46の活動を通して変わっていった1人だ。加入前はどんな少女だったのか?

「すごい目立ちたがり屋でした。目立ちたいっていう理由で生徒会長に立候補して、前に立って喋るのが楽しくって。部活の部長もやってたんですよ、それもまた目立ちたいっていう理由で」と笑う秋元だが、「明るく振る舞ってはいるんですけど、ちょっと言われたらすぐへこたれちゃうみたいな感じで、気持ち的には弱いところもありました。それでいじめられたこともあったり」と、グループ加入以前のナイーブだった自分を明かす。
その打たれ弱かったメンタルが乃木坂46に加入してから鍛えられた。「途中で復帰する形だったこともあって、強くならざるを得なかったんです。精神的に強くなって、へこたれることはなくなりました。何を言われても、どんなことがあっても乗り越えるぞっていう気持ちが大きくなりましたね」。

■悩みは尽きなくとも、アイドルが大変だとは思わない

もちろん活動を続ける中で、思い悩むこともある。映画は淡々と次の場面へと進んでいくが、現実はシーンが切り替わるようにすぐに消え去る悩みばかりではない。「この映画を観ると、みんなの悩みや感情がそこでもう解決したかのように見えがちなんですけど、そういうわけじゃない。でもそういうのを抱えつつ葛藤するっていうのがアイドルの魅力なのかなと思う。そういう一面もあるっていうのを頭の片隅に置いて、アイドルを見てもらえたら嬉しいです」と、笑顔を絶やさない秋元でさえも、華やかなアイドル活動の裏で苦心していることを伺わせる。

それでも、アイドルが大変だとは思わない。「女優さんとかだったらこんなにファンの方と関われる機会ってないと思うんですよ。アイドルはライブがあったり、握手会とかで『◯◯がよかったよ』とか『可愛い』とか、すぐに反応をもらえるので、そういうレスポンスが早いところが楽しいです。なによりまず『可愛い』って言ってもらえることが、私は楽しくてしょうがないので」と屈託のない笑顔を見せる。
目立ちたがり屋ではあったものの、実はグループに加入するまで「アイドルになりたいと思ったことはなかった」という秋元だが、今では「アイドルの仕事が大好き」と断言する。そう思えるようになったことこそが、彼女の中での最大の変化なのかもしれない。

■「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」

7月10日(金)全国公開
配給:東宝映像事業部
©2015「DOCUMENTARY of 乃木坂46」製作委員会

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