福地桃子

[Interview] 次期朝ドラ出演の福地桃子、映画初主演で見せたポジティブマインド

映画初出演&初主演、さらに若手俳優の登竜門的枠“朝ドラ”に初出演―。2019年にそんな初尽くしを迎えるのが、女優の福地桃子だ。屋久島を舞台にロボット・OriHimeを題材にした映画『あまのがわ』(2月9日公開)では、東京で母親と2人で暮らす女子高生・琴浦史織役で自身初の映画主演を務めている。


オーディションで主演を勝ち取った福地だが「決まったときはビックリしました。嬉しいという気持ちよりも、なんで!?という不思議な気持ちが先にありました。私!?本当に!?って」といまだに夢心地。ビックリしたのも無理はなく「オーディションでは自分を繕うことなく自然体でできましたが、その分自分の欠点を明かしたり、話下手なせいもあって1分間の自己紹介では話の途中で“チーン”と終わりを告げるベルが鳴ったり。自分らしさはありましたが、手応えは全然なくて」と照れ笑い。

会場を後にした直後は、まとまらない自分の言葉に対する失敗に反省の嵐だった。しかしその一方で「例え落ちたとしても『受けて良かった』と思える印象深いオーディションだった」と充足感もあったという。それは製作陣の本作にかける本気度をヒシヒシと感じたからだ。「古新舜監督との対話では、私の目をしっかりと見てくれて、20分という時間で私がどんな人間なのかを知ろうとしてくれた。私と向き合ってくれている姿勢を見たときに、自分自身と向き合うというテーマの『あまのがわ』という作品への並々ならぬ愛を感じた」と新鮮な面持ちで振り返る。

なぜ主演の座をゲットできたのか? それは取り繕うことなく等身大の福地桃子として臨めたからだろう。なぜならば琴浦史織という役柄は、教育ママとの関係性に悩む“どこにでもいそう”な年頃の女の子だからだ。

最初に合格を伝えたのは母親。映画初主演ということもさることながら「子供の頃に行った屋久島が大好きで、そんな場所に撮影で行けるという喜びを分かち合いました。お母さんは『きっと今が再び屋久島に行くいいタイミングなんだろうね』と言ってくれました」とニッコリ。

その屋久島では大自然を満喫。琴浦史織の現実逃避を表す描写として、川にプカプカと浮いた。「水の中に入ると周囲の音は聞こえなくなり、目の前に広がる緑の景色も綺麗。リフレッシュして集中して物事を考えたいときに水中で浮くのっていいなぁと思った。自分しか浮かぶ人がいなかったので、ほかの方に申し訳ない気持ちになりました(笑)。贅沢な時間をいただいた気分」と仕事を忘れて楽しんだ様子。しかし福地からよくよく話を聞いてみると、撮影はなんと11月に行われたのだという。

いくら屋久島といえども、さすがに11月に水中は寒いだろう。「確かに足を水に入れた瞬間と、水から上がった後は物凄く寒くて、唇も真っ青になっていたかもしれません。でもそこでブルブルと震えたら作品の世界観を壊してしまいます。ドローンでの撮影だったので失敗もできないし…気合で!」と笑いながら「浮かんでいると水温にも慣れるので、大変だったというか、気持ちよく居心地のいい空間という印象が強い」とこともなげだ。

遠慮気味に笑うやわらかな見た目の印象とは裏腹に、実は肝が据わっている21歳。「緊張して真っ白になることもあるけれど、映画でもドラマでもバラエティでも、すべての現場を伸び伸びと楽しみたいという気持ちがあります。落ち込むこともあるけれど、前向きにすぐに切り替えるようにしています」と仕事をする上でのモットーをはっきりと持っている。仕事場で意識的に心掛けているのは、声のトーンと洋服の色。「人見知りなのでついつい声が小さくなってしまうので、挨拶の時はなるべく太く。明るいイメージを意識しようと心がけています。洋服も赤や黄色など一目見て明るい気持ちになれるような色の服を選ぶようにしている」と周りに与える影響を考える気遣いの人でもある。

『あまのがわ』公開後は、ヒロインの親友を演じるNHKの連続テレビ小説『なつぞら』の放送がスタートする。「老若男女が見る代表的なドラマ枠。そう考えると緊張するのであまり意識しすぎずに普通の感覚で撮影に入ろうと思いましたが、やっぱりどきどきします。」と恐縮気味。それでも「朝ドラだからこそご一緒できる先輩方とスタッフさん方。その場所で経験したことを今後の自分のお芝居の経験値として繋げていけるよう、楽しんで演じていきたい」と期待を込めた。(石井隼人)


関連記事