RYUCHELL(りゅうちぇる)

[Interview]りゅうちぇるがRYUCHELLとして音楽で訴えたいもの「自分の色を大切に生きて!」

悔しさ、悲しさ、痛み。屈折を経験している人が放つ光は暗闇を知っている分、ことのほか強い。天真爛漫な明るさで茶の間でも人気のタレント・りゅうちぇるも、実はそんな一人。4月10日にアーティストRYUCHELL名義でリリースするデビューアルバム「SUPER CANDY BOY」は、RYUCHELLのエイティーズ趣味をふんだんに盛り込んだだけではなく、暗闇の中にいる人を照らそうとする光と愛を込めた入魂作だ。「自分がハッピーに至るまでの背景を伝えられるのは音楽しかない」と真剣に楽曲と向き合うRYUCHELLに思いを聞いた。


アメリカの子供向けアニメ番組から飛び出したかのようなメイク、ファッション、ハイテンションぶり。RYUCHELLという、女の子っぽいものと男の子っぽいものが混ざったキャラクター性をアルバムタイトル「SUPER CANDY BOY」として表した。そこには同時に「自分の色を大切に生きて!」というポジティブメッセージが入っている。

RYUCHELL(りゅうちぇる)

RYUCHELL(りゅうちぇる)

RYUCHELLいわく「ファンとの交流を楽しむSNSのりゅうちぇる、ハッピーを届けるバラエティ番組のりゅうちぇる、ハッピーに至るまでの思いを伝えるアーティストのRYUCHELL」という3つの役割を持った人格があるという。

なかでもRYUCHELLは「SNSでは文字数が足りない、バラエティでは語ることのできない」りゅうちぇるが幼少期から抱いていた葛藤を打ち明け、自分と同じような状況にある人々の背中を押したいという思いから誕生した人格だ。「生まれたときからハッピーな人と思われるけれど、自分を大切にできなかった時代があります」と打ち明けるりゅうちぇるは「僕は小さい頃からバービー人形やディズニーが大好き。周囲からは『普通の男の子とは違う』『オカマ』とからかわれていました。学生時代は孤独になるのが怖くて、人の目を気にして、わざと男っぽい低い声を出したり、好きなものを嫌いだと言って友達を作ったり」。

自分を偽って仲間と群れて、集団の一部と同化。孤独ではなくなったはずだった。しかし「孤独になりたくないと思って周りに合わせたはずが、自分に嘘をつけばつくほど心は孤独に。どう生きていけばいいのかわからず、本当に人生がつまらなかった。周囲に合わせすぎて、自分が本当に好きだったものさえ忘れかけていた」と暗黒時代を振り返る。

汚泥の底のような日々から引き揚げてくれたのは、SNSの登場だった。地元の知り合いが誰一人いない高校にあえて進学し、抑え続けてきた本来の自分の姿を“りゅうちぇる”として表現し、SNSで展開。世界のすべてだと思っていたこれまでの環境がいかに小さかったのか思い知らされると同時に、東京・原宿という個性を尊重してくれる場所が同じ日本にあることに衝撃を受けた。「ここで勝負してみたい!」。道は開けた。

「こういう話ってバラエティでは深く話せないし、SNSでは文字数が足りません。でも音楽ならば、歌詞やその世界観で自分のこれまでの道のりをつぎ込めるし、“自分の色を大切に生きて!”というメッセージをポップに乗せられる。自分の色を出せない悩みは年齢問わずあるもの。RYUCHELLの曲が勇気を奮い立たせるきっかけになれば」と歌手デビューの理由を明かす。

RYUCHELL(りゅうちぇる)

RYUCHELL(りゅうちぇる)

もう一つの人格も昨年に誕生した。一児の父親という役割だ。「立ち合い出産だったこともあり、妻のぺこりんから人間が出てきた瞬間に、父親という自覚も出てきました。自分たちの存在が息子のリンクに跳ね返ってくるという状況もあるわけですから、これまで以上にすべてのことに責任感を持っていきたい」とキリッとした表情。

でも愛息子の成長ぶりになると一変して柔らかい表情に。アルバムには愛息子に捧げた「Link」が収録されており「ドライブ中にぺこりんが楽曲を流すと、息子のリンクは『!』みたいになってピタリと止まる。凄まじい成長ぶりも愛おしいし、遊んでいるだけで超幸せ。僕が仕事から家に帰ってくると、ずりばいで迎えてくれる」と幸せそうだ。

人格が増えても、根底には変わらないものがある。「僕のテーマはダイバーシティ。色々な意見や色々な生き方があっていい。重要なのは『自分を大切にすること』。親になったからって、無理して自分を変える必要はない。しっかりキラキラして充実を感じて生きる姿を見せるのが僕の役目」とブレることはない。

今後も「みんながみんなを認め合う平和な世界が訪れることが夢。そのためには愛が必要です。僕の仕事は愛のパワーで成り立っているので、楽曲からはその愛をストレートに感じてもらえるはず」と全身でポジティブメッセージを発信。暗闇に光をともし続ける構えだ。


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