桜井玲香(乃木坂46)

[Interview]キャプテン・桜井玲香が語る新曲に込めた期待、後輩たち、これからの乃木坂46

乃木坂46が5月29日(水)に23枚目となるニューシングル「Sing Out!」をリリースした。前作「帰り道は遠回りしたくなる」から今作のリリースまでの間、4期生の加入や西野七瀬らグループを牽引してきたメンバーの卒業など、乃木坂46には大きな変化が訪れた。そんな激動のときを経て放つ「Sing Out!」は、クラップを取り入れた、ゴスペルのような一体感のある楽曲。これまでの乃木坂46にはなかったタイプの新曲に込める期待、新たに加わった後輩たち、そして今後の展望について、キャプテンの桜井玲香に話を聞いた。

新曲「Sing Out!」は、みんなに参加してもらえる曲にしたい

―まずは楽曲をもらったときの最初の印象を教えてください。

桜井玲香 最初もらった時は仮歌が男性の方だったりして、みんなで「GReeeeNさんっぽいね」という話をしていたんですけど、自分たちの声が入ったらまた全然違う感じになって、今までになかった感じだったので、すごく楽しみだねって話してました。MV撮影も結構長丁場だったんですけど、みんな最後まで楽しそうにやっていたので、歌いながら自分たちもエネルギーをもらえる曲だなと思います。

―メンバーの皆さんが以前からよく「誰もが口ずさめる楽曲がほしい」とおっしゃっていましたが、今回そんな楽曲ができたという手応えはありますか?

桜井 歌いやすい曲かなとは思います。レギュラー番組の企画で、この曲に合わせて簡単な手振りを作って、日本全国いろんな地域の、全然乃木坂を知らない方たちと一緒に踊ってもらって、1つのオリジナルMVを作ろうという企画をちょうど今やっていて、先々週くらいに私はそのロケに行ってきたんですけど、本当に全然乃木坂を知らない方たちに初めて見てもらって聴いてもらって踊ってもらったら、すごい盛り上がって。「あ、意外とみんな馴染みやすいのかもしれない」と思いました。だから、いろんな人と繋がれるきっかけの曲になったらいいなと思います。

―ファンの前でのパフォーマンスも楽しみですね。今回は横浜アリーナでのリリース記念のライブもあります。

桜井 そうですね。この曲はクラップがたくさん入ってくるので、みんなでのれる曲にしたい、参加してもらえるような曲にしたいというのがあるので、ある意味実験じゃないですけど、その横アリのライブでどうやったらファンの皆さんがついてきてくれるのか試したいなと話しています。

―そういう意味では、乃木坂46の楽曲は一方的にリリースして終わりではなく、最後にファンの人たちの手によって完成される印象がありますね。例えば「ハルジオンが咲く頃」をリリースした当初は、ライブで会場がハルジオンカラーになるとは想像していなかったと思いますし。今回もそうやってファンに参加してもらうことで完成するのかもしれませんね。

桜井 そうですね。今回は簡単な手振りができたので、それを今後どこまで広めていくのかはまだわからないんですけど、それが広まってライブでやってくれるようになったら一番いいなと思います。もしそれがうまく広まってくれたら、今後のライブでもそっちを採用していきたいなって。

―その場合は、メンバーもそっちの手振りを踊る?

桜井 それが今すごい迷いどころで……ふた通りあったらいいなっていうのが理想ですけど。

―状況に応じて。

桜井 そうですね、まだ本当に作り途中という感じです。そういう意味では今までよりもさらにいろんな人に参加してもらいたいというか、力をお借りしたいという曲でもあります。

桜井玲香(乃木坂46)

桜井玲香(乃木坂46)

―MVは「シンクロニシティ」と同じ監督と振り付け師の方が手掛けられたということで、「シンクロニシティ」もそうでしたが、ダンスシーンが前面に出た映像になりました。ワンカットで撮ったシーンが多いと聞きましたが。

桜井 ワンカットで撮ってるシーンを繋げている感じなので、結構長めで回していることが多かったですね。だから結構集中して撮りました。シンプルだけど、ダンサーさんも入れたりして、導線も含めて細かく計算してやったりはしてました。
1人ひとり抜くっていうよりは、全体の引きできれいなものっていうのが今回は大事だったりしたので、何回も撮って、見て、「もう1回やってみようか」みたいな。スカートのさばき方とか、そういうのも結構こだわって撮ってました。

―じゃあ撮影現場の雰囲気というのは、あまりワイワイしている感じでもなかったんでしょうか?

桜井 ワイワイしてました(笑)。今回すごいワイワイしてました(笑)。1日で撮ったので、人によっては終わり時間も遅かったんですけど、みんなワイワイしてましたね。並行してお菓子パーティーとかしながら(笑)。ほとんど全員で踊る感じだったので、余計にですね。

―完成したMVをご覧になって、いかがですか?

桜井 みんなの楽しそうな笑顔がいっぱい詰まっているのがいいなって思いました。見ていて自然と笑顔になれる。キメキメじゃなくて、自然な笑顔をたくさん捉えてくれていたので、ナチュラルな感じでよかったかなと。

―今回、渡辺みり愛さんと阪口珠美さんが初めて選抜入りしましたが、2人の印象はいかがですか?

桜井 みり愛は昔からそうですけど本当にダンスの覚えが早いのと、上手いので、今回の曲もダンスが難しかったりするんですけど、みり愛に合ってるなと思います。いろんな人にみり愛のダンスを見てほしいですね。
珠美はよくマネージャーさんから「『玲香さん大好きなんですよ!』って言ってたよ」ってエピソードは聞くんですけど、本人は全然話しかけに来てくれなくて、私の中では聞いてる話とギャップがありすぎて、本当かな?と思っていつも見ています(笑)。いつ来てくれるかな?とちょっと期待して待ってます。

進む世代交代。現キャプテンが思い描く次の世代のキャプテン

―今作のカップリングには4期生の楽曲「4番目の光」も収録されています。4期生と一緒に仕事をする機会は増えましたか?

桜井 まだそんなに絡みがあるわけではないんですけど、こないだ「3人のプリンシパル」を4期生でやって、今までの後輩も「プリンシパル」をやると空気感が変わるというか、やっぱりちょっとステップアップする感じはあって、「プリンシパル」を終えてからの4期生にまだ会えていないので(※取材は5月上旬)、それはちょっと楽しみですね。

―3期生が入ってきた時と印象の違いなどはありますか?

桜井 3期生は猛スピードで色々進んできての今がある感じがするので、4期生はもう少しゆっくりなのかな? 落ち着いて色々こなしている感じ。カラーも全然違うなと思いますね。4期生はまだ本当にフラットな感じというか、みんな色が付いていない。もしからしたら3期はもうちょっと元々カラーを持っている子が多かったかもしれない。どちらにも良さがあるんですけど、4期生はまだ未知な感じがしますね。

―ちょうど4期生の坂道合同オーディションが開催されていた頃、樋口日奈さんに後輩への接し方を聞いたら「怖くはないけど、甘くもないと思う」とおっしゃっていました。外から見ていると、1期生が3期生を“孫”のようにすごく可愛がっているように見えたので、「甘くもない」というのが意外でした。

桜井 確かに最初、3期生が入ってきたばかりの時は“孫”状態でした(笑)。「あ~、よしよしよしよし」みたいな感じはあったんですけど、3期生も仕事に慣れてきて、ちゃんとメンバーとしてある程度のところまで完成した頃から、そういう雰囲気はなくなったかもしれないですね。ある意味対等に見られるようになったのもあると思います。そこからは、もちろんフォローする時もありますけど、確かにいつでも甘いことはないかもしれないです。

―桜井さんはキャプテンなので怒ったりすることも?

桜井 あまりしないですけどね~。

―そもそも怒らなきゃいけない場面自体がそんなにない?

桜井 そうですね。リハ中に3期生がめちゃくちゃ騒いでてもう手に負えない状態とかだったら、もしかしたら「おいコラー!」ってなるかもしれないですけど、そんな子はいないので(笑)。だから個々にですね。何か悩んでいたりとか、やっぱり3期生も苦しいタイミングがあるので、そういう時にちょっと投げ出しそうになったりしたら「いや、そうじゃないでしょ」という話をしたり、それくらいですね。

―それはでもすごく頼りになる先輩ですね。

桜井 でもみんなそうやってると思います、個々に。1期と2期全体で(後輩たちを)見てるっていう感じですね。

―4期生が入ってきたり、1期生が卒業したりと少しずつ世代交代が進んでいます。3月末に48グループの総監督の引き継ぎがあったりもしましたが、いつか乃木坂46の次期キャプテンを任命する時がきたら、やってもらいたいという人はいますか?

桜井 それが本当に難しくて……でもやっぱり若い子に託したいみたいなのはあります。

―それは、長くやってもらえるから?

桜井 そうですね。あと、自分と似てないほうがいいのかな?って思ったり。

―でも桜井さんがキャプテンだからこそ、今の乃木坂46の雰囲気が出来上がったという声も多いですよね。

桜井 ありがとうございます!何もしてないんですけど……(笑)。正直、メンバーからも「キャプテンが変わることでグループのカラーが変わるのはちょっと……」みたいに言われたりもするので、なんとなく自分が似てるかな?ってもし感じる子がいたらその子に託すのか、それとも、そもそもメンバーが入れ替わってきているので、“乃木坂”っていう括りが持つイメージ的なものは変わらないにせよ、やっぱり徐々に昔の乃木坂の雰囲気ではなくなっていくのは確かで、それに合う子にした方が円滑に回るのかな? 今のみんなの個性を殺さないでいけるのかな?とか、いろいろ考えます。
でも副キャプテンはつけてあげてほしいなと、切に思いますね。誰か頼れる子がいて、キャプテンになる子の負担が少しでも減ればいいなと思っています。

―今までは明確な副キャプテンというポジションはありませんでしたが、桜井さんはやっぱり若月(佑美)さんに助けられた?

桜井 私はみ~んなから助けてもらいましたね(笑)。誰に頼ったらいいのかわからなかったので、それをみんなが察してくれて、みんながちょっとずつ聞いてくれたから助かったけど、明確な役職として何でも話せるっていう子が1人いたら楽な場面があったかもしれないと、他のグループを見ていて思いました。

―先日、番組で坂道グループのキャプテン対談をされていましたね。

桜井 グループのカラーは違えど、みんな悩むことは一緒なんだなと思って、ちょっと心強かったです(笑)。みんなもっと早くいればよかったのにと思いました(笑)。

グループの変動が激しい時期だからこそ、もっと上を目指す

桜井玲香(乃木坂46)

桜井玲香(乃木坂46)

―元号が変わりましたが、桜井さんは名前が似ているのでいろんな人からイジられませんか?

桜井 すごい言われます(笑)。「元号、玲香だよねー?」って言われるので、「そうだよー!」って言ってます(笑)。

―そんな令和になって、今後、乃木坂46をどんなグループにしていきたいと考えてますか?

桜井 もちろん東京ドームもまたやりたいし、もっと広いスタジアムとかでもやりたいし、海外もツアーで回れるくらいになりたいなって思います。紅白にもずっと出ていきたいし、レコード大賞も3年連続で獲れている人はいないので、そういうのも狙いたいなという、ちょっと背伸びした夢もあったりします。
女の子たちがメイクや服を真似してくれたりとか、コピーグループを作ってくれたりとか、そういう10代・20代の子のトレンドを作れるグループになっていきたい。
今はどうかわからないですけど、もともとは「清楚」って言われていて、あんまり他のアイドルグループにはないカラーだったと思うので、そういうのを武器にもっと上の世代の人とか、おじいちゃんおばあちゃんとか、そういう人たちにもいろんな形でアプローチしていきたいしとか、夢はいっぱいあります。

―少し前に、齋藤飛鳥さんが「勢いよりも安定していることのほうが難しい」と話している記事を拝見しました。生田絵梨花さんも先日のインタビュー記事で「今までは勢いでいけたものが、これからは勢いだけでは難しくなってくる。これからどうやって今の人気を持続させていくのかを考えている」と語っていました。桜井さんとしては、まだあまり安定を図るというよりも、もっともっと上を目指していきたいという気持ちが大きいですか?

桜井 2年くらい前から取材とかでは「安定が大事」だとか「キープすることが……」って言っていたんですけど、今はグループ自体の変動が激しい時期なので、逆に安定することはなかなか難しくて、だったら上を目指すくらいの勢いに乗っちゃったほうが今はいいのかなと、ちょっと思ったりします。今は変わっていい時期なのかなと。せっかく今色んな人に見てもらえる機会が多い時期なので、あんまりビビらずに、実際よりちょっと自信持っているくらいのほうが、もしかしたら今は崩れなくていいのかもしれないなって思いますね。

個人の大仕事でグループのありがたみを再確認

―ここからは桜井さん個人のお話を聞かせてください。前作「帰り道は遠回りしたくなる」から今作のリリースまでの間、紅白、レコ大、その他年末の音楽特番、バースデーライブ、アルバムの制作と忙しい時期に、桜井さんはミュージカル「レベッカ」にも出演されていて、かなりハードだったのでは?

桜井 忙しかったですね。去年の夏頃から結構キツくて、バーステーライブが終わった時に初めて何もなくなって、そこで気を張っていたことに気づく、みたいな感じでした(笑)。

―東宝ミュージカルのヒロインという大役でしたが、振り返っていかがですか?

桜井 もちろん自分のファンの方も見に来てくださっていたんですけど、作品自体にファンの方が多い作品で、たくさんの方に見てもらえたので、グループを知ってもらうきっかけにもなったのかなと思います。いくちゃん(生田絵梨花)が(道を)作ってくれた中で、今回こういうお話をいただけたと思うので、精一杯やりました。

―期間中に生田さんとはお話ししました?

桜井 すごい励ましてもらいました。最初はプレッシャーもありましたし、いくちゃんは基礎をずっとやってきた子ですけど、すごい役者さんたちの中に基礎がまったくない私が入っていくっていうのが、なかなか気持ち的には辛くて、実際に稽古が始まって、やっぱり周りとの差に愕然としてすごい凹んでた時期に、たまたま何かの収録で久しぶりにいくちゃんに会って、泣きつきました(笑)。そしたらいくちゃんの最初の頃の話をしてくれて、「これしたほうがいいよ」とか、「ノドにはこれが良いから」とか、いろいろ教えてくれて、話した時間は短かったんですけど、だいぶ救われましたね。

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―そういう時、グループっていいですね。

桜井 本当に思いました。やっぱメンバーだなって思いました。年末はミュージカルをやりつつ、乃木坂の歌番組とかも並行してやっていたので、やっぱりみんなの顔を見るとちょっとホッとしましたね。

―では最後に、「Sing Out!」には「大声で歌う」「叫ぶ」という意味がありますが、何か“大声で叫びたいこと”はありますか?

桜井 「みんな買ってくれー!」ですかね?(笑)

―それでいきましょう(笑)ありがとうございました。


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