山田孝之

[Interview]「少しでも希望になったら」俳優・山田孝之が語る、密着ドキュメンタリー映画に込めた想い

俳優・山田孝之の2013年から2019年までの約5年半、実に2045日に渡る活動に密着したリアルドキュメンタリー映画「TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY 劇場版『No Pain, No Gain』」が、4月27日(土)より新宿シネマカリテにてレイトショー限定上映され、公開前日に行われた先行上映会を含め、10日間連続の満席を記録するなど話題を集めた。


そんな本作のBlu-ray完全版が7月1日に発売されるのに先駆けて、6月22日よりdTVにて先行配信される。配信されるのは、劇場上映版を新たに再編集したBlu-ray完全版240分(30分/全8話構成)に、さらに30分の配信限定エクストラエピソードを追加した全9話、270分にも及ぶ長編ドキュメンタリー作品。

30歳を越えて人生の岐路に立った一人の男が「死ぬまでの人生、後悔しないよう生きるには何をすべきか?」その答えを見付けるために貪欲に未知なる挑戦を続けた様が描かれた本作について、山田孝之が語った。

――密着取材の期間が5年間というかなり長いですが、今改めてどういう思いですか?

山田孝之(以下、山田) 最初は5年間というのは決まっていなくて「密着する」ということだけ決まっていたのですが、この企画を聞いた時期は、自分の中でいろいろな仕事をやっていこうという思いがあったので、それを密着してたくさんの人に見てもらえたら楽しんでもらえるんじゃないかなという思いでした。密着してもらっている中で、苦悩する姿などもカメラに収められていますが「こういう姿を見てもらうことで、勇気が出てくる人もいるかもな」という思いが出てきました。

山田孝之

山田孝之

――完成した映像は観ましたか?

山田 はい、観ました。観て感じたことは仕事を減らした方がいいなって(笑)。試写のときに抽選に当たったファンの方もいたんですけど、映画が終わったあとファンのみんなが「休んでください」って言ってくださいました(笑)。「しばらく見れなくてもちゃんとファンでいるので休んでください」って(笑)。

――作品のここに注目して見てほしいなというポイントは?

山田 1人の人間の生き方を見せているだけなので何を感じるかは人それぞれだと思うのですが、この作品を世に出す意味として「少しでもいいから希望になったらいいな」という思いはあります。希望というのは、人生を楽しむためにはそれだけの努力や苦悩が伴うけれど、その途中でいろんな仲間ができて一緒に目標に向かっていくことで絆が深まるし、達成した時に喜びが待っている。そういったことは伝えられるんじゃないかなと思いますね。僕は体力は凄くある方ですが、見てもらったらわかるようにメンタルは強くないので。でも、1人では無理だけど目標に向かっている中で同じ方向に向かう仲間が必ず見つかるから、その仲間と協力し合っていけばなんとか乗り切れると思うので、「諦めたり挑戦しないという事はもったいないんじゃないか」って思いますね。

――俳優、執筆業などいろんな仕事をする中で今後挑戦してみたいことはありますか?

山田 まさに、昨日初めてライブ活動をやってみてすごい大変だったんですよね。楽しめるというレベルでは全然なくて、緊張もしましたし。ちゃんとボイトレして歌のことも知って、せめて楽しめるレベルまで早い段階でいきたいと思いました。緊張感もお客さんに伝わっていたと思うし、何よりも自分たちが楽しめて、それがお客さんにも伝わっていけるレベルまでに早く達しないといけない。結構、時間の配分を音楽の方に多く費やさなきゃなというのはすごい昨日思ったので、今この段階で新しいことをやりたいというのはないですね。

――作品を見ていてここをカットしてほしかったなというところはありましたか?

山田 あると思います?(笑) むしろ僕は大丈夫ですよと言ったんですけど、事務所がNGというのはありました。俳優の場合は、演じるキャラクターがどういう声の大きさでしゃべるのか、歩くスピードはどのくらいか、どれくらいの角度の姿勢なのか、どれくらいの歩幅なのかなどそれぞれキャラクターごとに全部決まっていて、それを最後までベストな状態でやらないといけない。そこはどの役でも同じなんですが一方、ドキュメンタリーはNGを出した時点でドキュメンタリーじゃなくなってしまうから、やる以上は(NGはなし)そういう覚悟でやらないと。まあ、覚悟というほどの覚悟は要らないですけど(笑)。基本(自分を)作らない人間なので、それを撮られたところで見られたところで何も抵抗はないですから。4時間バージョンの映像が世に出たら仕事の20分の1くらいは見れると思いますって言ったんですけど、冷静に考えたら100分の1くらいですね。全てなんて無理ですよね、ライブ配信するしかないですよね(笑)。
29歳のときから撮っているんですけど、25歳のときから撮っていたら日中でも遮光カーテン閉めて、日の当たらない物件を探して、日が沈んだら外に出て日が明けるタイミングで帰るという生活ですね。そこから考えたら相当生活に変化が現れていますけど。
生き方としては僕という人間がいろいろやっているだけですが、それを実行できるのは、20年近くやってきた俳優としての土台があるからということは理解しています。そんな中で、俳優として何かリターンを求めてやっているのではなく、後輩たちがもっとストレスなく芝居に集中できるようになればという思いが根底にありますね。後輩たちから(ストレスを軽減するにはどうしたらいいかなどの)相談を受けたりするのですが、それは僕も経験して共感できる悩みでもあるので、少しでもそんな状況を変えたいんです。

結局、何かやりたいというその先にあるものを考えた時にそこにいくまで1人で耐えられるかなとか、バッシングされることだったり挫けるんじゃないかなとか考えるから行動しない人が多いと思うんです。だから先に仲間を見つけようとしたりとか、今いるポジションで仲間を見つけても絶対方向性が多少ずれてくると思うんですよ。とりあえず動いてみて、動き出すと勝手に仲間って見つかってくるので、先に仲間を見つけて行こうというよりかは、とにかく1人でもいいからやってみる。他にも1人で動いている人は必ずいるので、そこと出会ったら一気に仲間になれるから、まずは何事にも挑戦してみることが大事だと思いますね。



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