番匠谷紗衣

[Interview]20歳のシンガーソングライター・番匠谷紗衣、スピリットは敬愛する尾崎豊

個性的なのは名前だけではなくて、ギターを手にしたきっかけも。二十歳のシンガーソングライター・番匠谷紗衣。14歳から地元・大阪でライブ活動を行い、昨年12月にシングル『ここにある光』でメジャーデビュー。同曲はテレビ朝日系連続ドラマ『科捜研の女』の主題歌に抜擢された。8月21日には待望のセカンドシングルにして、ABCテレビで放送中の連続ドラマ『ドラマL ランウェイ24』の主題歌『自分だけの空』が発売される。令和に羽ばたく大物新人歌手のベースにあるのは、昭和のカリスマ歌手・尾崎豊だった。


尾崎の歌声に初めて触れたのは、数多くのミュージシャンがカバーしてきた名曲『I LOVE YOU』。1999年生まれの番匠谷、もちろんリアルタイムで尾崎に触れたことはない世代。「偶然つけていたテレビで尾崎豊さんのドキュメンタリーが放送されていて、その歌声を聴いた瞬間に『この新進気鋭の人は誰や!』と驚いた」とミレニアム直前生まれならではの初々しい衝撃。すぐにショップへ走り、CDを買い揃えた。気が付くと、ギター片手に『I LOVE YOU』一曲だけの路上ライブを行う自分がいた。歌手・番匠谷紗衣の誕生の瞬間である。

CDだけでは納得できず、高校時代にレコードで尾崎のアルバムをすべて買い揃えた。メジャーデビューシングル『ここにある光』のカップリングで尾崎の名バラード『Forget me not』をカバーしているが、「尾崎さんのセカンドアルム『回帰線』に収録されている『Teenage Blue』が一番好きな曲」とツウなチョイスが筋金入りの尾崎ファンであることを証明している。

番匠谷紗衣

番匠谷紗衣

そこまで敬愛する伝説的ミュージシャンの影響は楽曲制作にも反映されているのかと思いきや、「感覚や雰囲気、そして歌に対する思いは尊敬しているし、私も“尾崎豊のようになりたい!”とは思います」とスピリット面では認めるが、「自分が書く歌詞の部分での影響はあまり感じません」と、番匠谷紗衣ならではのオリジナルを生み出しているという自負がある。

そもそも幼少の頃から詩を書くのが好きだった。寂しさ、悲しさ、悔しさなど負の感情で心が動いたときに、たくさんの言葉が溢れ出てきた。「思っていたとしても口にできなかった言葉をノートに書き溜める。例えそれが文章として成立しなくてもいい。殴り書き状態で、その時の感情を書き出す。書いているうちに泣いてしまうこともあって、完全にヤバイ奴です(笑)。書き終えると自分が削られたような感覚になるけれどそれもイヤじゃない。結構楽しんでいます」。そこから精査された言葉が、楽曲の歌詞に生まれ変わる。

自分自身をぶつけて生み出した楽曲が多くの耳に届くのは何よりもの喜びだ。初めてドラマで自分の曲が流れた瞬間は忘れることができない。「初放送日は、朝起きたときから『今日だ!今日だ!』というワクワクと『ホンマに流れるのかな?』という半信半疑。イントロが流れてきたときは感動で、今まで応援してくれた人への恩返しという気持ちと、もっと頑張らなければという気持ち。終わった瞬間SNSでエゴサしちゃいました」と嬉しそうに振り返る。

セカンドシングル『自分だけの空』は、『ドラマL ランウェイ24』のために書き下ろした曲。「ほかの方が作曲したメロディに歌詞をのせるのも、ドラマをイメージして作ったのも初めての経験。お話をもらった時は『できないかもしれへん…』と不安でした」と打ち明けるも、パイロットという夢に向かって成長していくヒロインの姿に共感。自分を重ねることができた。「タイトルにある『空』とは、心の中にあるキャンバスをイメージ。そこに沢山の経験をして様々な色を足していこうというメッセージを込めました」。

番匠谷も心のキャンバスに色を塗り重ねている最中。最初に完成させたい絵は、大阪城ホールでのライブだ。「16歳のときに大阪のライブハウスで初めてのワンマンライブをやりました。そのとき自分が大阪城ホールで歌っている姿を想像することができた。それを叶えたいという思いがあって、そのために今どうしたらいいのかを逆算して行動しています」と目標ははっきりしている。

一方で、客観的かつ冷静に見つめる自分もいる。「大きな夢はあるけれど、今のままじゃまだまだです。周りの方々は頑張ってくれているけれど知名度も低いし、自分には武器が足りない。その武器を今年中に見つけたいと思っています」。番匠谷紗衣の名前と歌声を令和に響かせるために。


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