第27回東京国際映画祭閉幕 「紙の月」が観客賞&最優秀女優賞

10月23日(木)より開幕した第27回東京国際映画祭が31日に閉幕し、メイン会場となった東京・六本木にてクロージングセレモニーが行われた。


今年の「コンペティション」にて唯一の日本代表作品となった『紙の月』(吉田大八監督)は、観客賞・最優秀女優賞を受賞。クロージングセレモニーでは、冒頭にミューズの中谷美紀が登壇し、「コンペ作品15作品をすべて見させていただきましたが、同じ日本の女優として『紙の月』宮沢りえさんの女優賞に期待しています!」と語り、その予言通りの結果となった。

最優秀女優賞を日本人女優が受賞したのは、第16回(2003年)『ヴァイブレータ』の寺島しのぶ以来11年ぶりの快挙で、「意味深い、奥深い演技。卓越した精神。繊細な脆さの表現。表情だけですべてを語る演技力。彼女の芸術貢献に感謝します。そして言葉に表せないほど美しい方」と審査員のイ・ジェハン氏が宮沢を評した。
宮沢は驚きと喜びで言葉に詰まりながらも「震えています。おみくじで大吉を引いたときの『ヤッター』という気持ちと自分をひきしめなきゃという気持ちに似ています」と率直な気持ちを語り、「7年ぶりの映画主演ということで不安もありましたが、吉田監督の粘り強い、厳しい、愛のこもった演出により、主人公の梅澤梨花という手ごわい役を乗り越えられたと思っています。このトロフィーを半分に分けることができるなら、その半分を最優秀演出賞として、私から監督にあげたいくらいです」と監督への感謝を述べた。

受賞者会見で吉田監督は「彼女自身が賞をもらうことに驚いていましたね。いつもスピーチが上手な方ですが、今日は緊張されているのがわかりました。宮沢りえの映画と言っても過言ではない作品なので、最優秀女優賞は欲しい賞でした」と宮沢の受賞を喜んだ。
観客賞の受賞については「わかりやすい映画ではないし、シンプルに共感できる映画でもないので、自信があったわけではない」と謙遜しつつ、「宮沢さんや他の俳優陣が演技で魅せてくれました。監督としてそこは自信を持っていますし、そこを評価してくれたのかな」と俳優への賛美を口にした。

なお、最優秀作品賞である「東京グランプリ」には、ニューヨークでジャンキーとして生きる若者たちの姿を徹底したリアリズムで描いた『神様なんかくそくらえ』(ジョシュア・サフディ監督、ベニー・サフディ監督)が選ばれた。同作は主演女優アリエル・ホームズの実際の体験を、ベンとジョシュのサフディー兄弟監督が脚本にして映画化したものである。

第27回東京国際映画祭 受賞作品・受賞者

東京グランプリ 『神様なんかくそくらえ』
審査員特別賞 『ザ・レッスン/授業の代償』
最優秀監督賞 ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ(『神様なんかくそくらえ』)
最優秀女優賞 宮沢りえ(『紙の月』)
最優秀男優賞 ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ(『マイティ・エンジェル』)
最優秀芸術貢献賞 『草原の実験』
観客賞 『 紙の月 』
WOWOW賞 『草原の実験』

アジアの未来 作品賞 『ゼロ地帯の子どもたち』
国際交流基金アジアセンター特別賞 ソト・クォーリーカー(『遺されたフィルム』)

日本映画スプラッシュ 作品賞 『百円の恋』
日本映画スプラッシュ スペシャル・メンション 『滝を見にいく』

“SAMURAI(サムライ)”賞 北野 武/ティム・バートン

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