[Interview] 津田寛治、初の連ドラ主演作に手応えと充実感「先の事はまったく考えられない」

津田寛治

「周りからはあまりのハイテンションさゆえに、呆れられています」と照れた笑みを浮かべるのは、名バイプレイヤーとして映画、テレビドラマと縦横無尽に巧みな演技を刻み付けている俳優の津田寛治。TOKYO MXで放送中の『食の軍師』(水曜午後11:30)で、自身初の連続ドラマ主演を務めている。



映画主演はあるものの、意外なことに連続ドラマ主演は初。「松重豊さんや佐藤二朗さんら、バイプレイヤーと呼ばれている方々が軒並みドラマで主演をされるようになり、『いい時代になった』と嬉しく思う反面、『俺もやりたい』という羨ましい気持ちもありました。だからお話を頂いたときは『俺にも来たか……』という思いでしたね」と願ったり叶ったりの起用に言葉を噛みしめる。

原作は「週刊漫画ゴラク」(日本文芸社刊)で連載中の同名コミック。津田は、人一倍食事にこだわる男・本郷播を演じる。常に三国志の名軍師・諸葛亮孔明(篠井英介)を心におき、完璧な食の陣立てを追い求めている本郷。そんな彼の前に、パーカー姿の青年・力石馨(高岡奏輔)が現れる。流れるような注文と見事な陣立てをみせる力石を勝手にライバル視する本郷は、孔明の力を借り、三国志の兵法になぞらえた独自の陣立てで食べ合戦を仕掛ける。

「徹底的に気持ちを込めて、喜怒哀楽を表現しています」

津田寛治本郷を演じる上でのキーワードは、制作陣から言われた「振り切ってやってくれ」という言葉。津田はそれを演技プランの礎に「驚く表現一つにしても、自分の視界の周りにブツブツが浮遊するくらいに力を入れて、撮影現場では常にカロリーを消費しています。徹底的に気持ちを込めて、喜怒哀楽を表現しています」と全力投球だ。

共演者からは「あまりのハイテンションさゆえに、呆れられています」と頭をかくが、その津田の鬼気迫る顔面芝居が劇画タッチの原作の持ち味を再現。原作ファンも納得の映像上トレースに成功している。しかも劇中セリフのほとんどが心の声だけに「モノローグは撮影後にアフレコするので、事前にどのようなテンポで自分が言葉を入れるのかを計算しながら演技をするのが凄く難しい」と舞台裏を明かす。

ドラマのハイライトとなる食の数々は、フランス料理やイタリアンといった高級料理ではなく、おでん、もつ焼き、とんかつなど庶民的なものばかり。そんな日常に溢れた食事をテーマに、トリビアなどを織り交ぜて粋な食べ方が紹介される。おのずと津田の食べっぷりも、ドラマの魅力を左右する重要なカギとなる。その食べ方のコツとは?

「どれだけ出された料理に対して思いを込められるか。例えば普通の酒でも、一日頑張って働いてやっと飲める酒だと思い込む。その思いを抱いて手を合わせて『いただきます』と飲んだら、その一杯はめったに手に入らないような銘酒にだって変わる。その思い込むエネルギーを、いつもの10倍にしています」と全神経を集中させて料理を頬張る。「それに僕は、周りから『美味しそうに食べるよねぇ』と褒められる事が多い。その武器は最大限に活かしたいですね」と長所をフル活用して対峙している。

「鳥肌が立つような瞬間が何度もありました。まさに理想の現場」

津田寛治現在も目下撮影中だが「尋常ではないほどのカット数を限られた時間の中でこなさなければならないけれど、それを現場の皆が楽しんでやっている。それはこの企画を全員が面白いと感じているからです。俳優とスタッフの熱量が一体になる時もあって、鳥肌が立つような瞬間が何度もありました。まさに理想の現場」と充実した表情を浮かべる。

好評なドラマはシリーズ化され、劇場版が制作される事もあるが、津田は「このドラマに関しては『次のシリーズに続くように頑張るぞ』という風には思えない」と意外な事を口にする。そのワケとは「素晴らしいスタッフに恵まれ、素晴らしい形に作品が出来上がっているという実感と手応えがあると、不思議と変な欲が湧かない。あるのは『絶対にいいものを作らなければ』という使命感だけ。先の事はまったく考えられませんね」。わき目も振らずに、全力でぶつかることの出来る作品。初の連続ドラマ主演作は、同時に津田の代表作として多くの視聴者の脳裏に刻まれそうだ。



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