[Interview]初主演映画で予想外の思い出し「ガチ泣き」 山本舞香の忘れられない卒業式

山本舞香

「最初は不安しかありませんでした。足を引っ張るんじゃないか、主演という立場を全うできないのではないか。でも主演を務めさせていただくのに、不安だなんて思っていてはダメ。恥ずかしさも、不安も、プレッシャーも克服したいと思った」。最初で最後の“初主演映画”『桜ノ雨』(3月5日公開)への取り組みを口にするのは、今年女優生活5年目を迎えた18歳の山本舞香。

ミリオンヒットを記録した楽曲「桜ノ雨」からインスパイアされた、合唱小説の映画化。山本は、海辺の町にある高校の合唱部員で、部長のハル先輩に淡い思いを抱く高校2年生の未来(みく)を演じている。


■「いただいた仕事は全力でやる」苦手な歌にも挑戦

プレッシャーを与えたのは、映画の中心的モチーフである“歌”だった。「気心の知れた友達数人とカラオケで歌うのは楽しいけれど、歌うのは正直得意ではないんです。スクリーンを通して何百人の方に聴かれるのかと思うと…。しかもソロで歌うところはないだろうと思っていたら、ありました」と苦手分野襲来に苦笑い。だがレッスン時にそれは杞憂に終わる。「合唱の先生に個人レッスンをしていただいたら、“声、出るね”と褒めていただいて。先生に“下手だね”と言われたらどうしようと思っていたこともあって、一気に“やる気スイッチ”がONになりました」と声を弾ませる。

山本舞香

山本舞香

合唱の発声は、横隔膜を意識して腹から声を出す。これがなかなか難しく、コツを掴めるか否かが成功への分かれ道だ。だが山本は持ち前の負けん気で習得した。「ソロを歌うときも“ああ、嫌だ嫌だ”と思いつつも、“スタート”と言われた瞬間に“やるしかない”に切り替わった。負けず嫌いの性格で、“いただいた仕事は全力でやる”が私のテーマでもあるんです。作品は一生残るもの。中途半端な気持ちではダメだし、絶対に後悔はしたくないから、かなり練習を重ねました」と力を込める。

クライマックスの合唱場面では、せきを切ったように号泣しながら歌う山本の姿が胸を打つ。「本当は泣く予定はなくて、ガチ泣きです」と照れつつ「『桜ノ雨』を聴くと、自分の中学時代の経験を思い出してしまって、涙が止まらなくなる」と打ち明ける。それは中学の卒業式での話。「前日が仕事で、地元・鳥取に帰った時には卒業式は終わっていました。校長室で一人、卒業証書を受け取っていたら、友達が帰らずに私の事をずっと待っていてくれたんです。その姿が嬉しくて泣けて。この曲を聴くとそれを思い出してしまう」。

“それぞれの場所へ旅立っても友達だ”“今はまだ小さな花弁だとしても僕らは一人じゃない”そんな歌詞が、山本を忘れがたいあの日へと連れ戻す。同時に演じた未来の心境ともぴたりとシンクロした。選ばれるべくして選ばれたオンリー・ワン。山本ほどの適材がほかにいるだろうか。

■「早く20代になりたい」「キツければキツいほどやる気に」

山本舞香

山本舞香

本作を皮切りに、映画『暗殺教室~卒業編~』『殿、利息でござる!』と話題作への出演が続く。「今年19歳になるけれど、早く20代になりたい。そうすれば役の幅も広がって、世界も広がりそうだから。嫌いなものが急に好きになるように、今はお芝居が楽しくて、台本をもらって自分の役柄をどう広げようか考える作業が楽しい」と笑顔を浮かべる。

ヒロイン役を務めた連続ドラマ「南くんの恋人~my little lover」は、日本のみならず海外にも視聴者を生んだ。「30歳までには、一度でいいから海外作品に出てみたいです。ジャンルはアクション映画」と目標は大きく「海外はレッスンとかトレーニングとかハードそうで、腹筋とかも壊れそう。でもキツければキツい程“やる気スイッチ”はONになる」。山本の開花宣言にも似た誓いは、この後どのような花を咲かせるのだろうか。

(取材・文/石井隼人)



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