[Interview]卒業控える木﨑ゆりあ、好きだったアイドルの仕事「全部演技に通じる」

木﨑ゆりあ(AKB48)

2011年に名古屋を拠点とするアイドルグループ・SKE48に加入し、現在はAKB48に籍をおく木﨑ゆりあが、今年4月、グループからの卒業を発表した。9月末の劇場公演をもってAKB48を離れ、その後は女優の道に進むことを表明している。
これまでにも様々なドラマや映画に出演してきた木﨑。そんな彼女が新境地ともいえる芝居に挑んだ作品が、AKB48のメンバーが主演する9篇のショートフィルムからなるオムニバス映画『9つの窓』に収められた短編『candy』だ。


『9つの窓』は、米アカデミー賞公認の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」とAKB48グループのコラボレーションによって生まれた。2016年2月に公開され、木﨑が出演する『candy』は、上映館の支配人たちが9作の中から選ぶ「ベスト作品賞」にも選ばれた。(北原里英「お電話ありがとうございます」と同率1位)
『9つの窓』のDVDが6月28日に発売されるにあたり、木﨑本人に作品を振り返ってもらいつつ、女優業についても語ってもらった。

ストレートに甘える演技には苦戦も……「案外、甘え上手かもしれない」

木﨑演じる野乃子は彼氏の二谷旬との交際記念日を祝うため、共通の友人である準太と一緒に、部屋で旬の帰りを待つ。しかし、野乃子に密かに想いを寄せている準太が持ってきた、2分間だけ効く惚れ薬のキャンディーを野乃子が口に入れてしまい……というストーリー。
公開後、周囲の反応は「普段見せない一面が見られて嬉しい」と上々で、映画館に何度も足を運ぶファンも続出。それもそのはず、“ヤンキーキャラ”とも称される勝ち気な性格の木﨑が、本作では、キャンディーを舐めて準太に抱きついたり、思い切り甘えたりする野乃子を振り切って演じているのだ。
木﨑は「飴を舐める前のほうがキャラクター的には私に似ているので、舐めた後はキャラが違いすぎる」と、やはり準太に甘えるシーンの撮影では自身とのギャップに苦労したことを伺わせる。「こんな女の子がいたら可愛いだろうなと思ってやってみたんですけど、カットがかかった時が一番恥ずかしいですね。冷静に見るとすごいことしてたんだなって」。

木﨑ゆりあ(AKB48)

木﨑ゆりあ(AKB48)

しかし、甘え上手か甘え下手かでいうと、「案外、甘え上手かもしれないです」と意外な答え。「ファンの方も『1人で生きていけます』みたいなところが好きで応援してくださる方が多いんですけど、実は家族の前ではわがまま言いたい放題なんです。起き上がりたくなかったら、『あれ取って』とか。お兄ちゃんがいるんですけど、お兄ちゃんはもう召使い(笑)。私中心で木﨑家はまわってます」と笑う。最近も祖父母に甘えたそうで、「おじいちゃんおばあちゃんっ子なんですけど、疲れるとおばあちゃんの卵焼きが食べたくなるんですよね。わざわざ名古屋のおばあちゃんの家まで行って、小学生以来、久しぶりに1泊しました。昔はおばあちゃんと一緒にお風呂に入っていて、おじいちゃんとおばあちゃんの前では私は小学生の頃のままの気持ちなので、『一緒にお風呂入ろうよ』って言ったら『恥ずかしいから嫌だ』って拒絶されて、1人寂しく入りました」と苦笑い。

「メンバーに対してもそうなんです。1人で立ってるのが面倒だから支えてもらいながら立ちたい、みたいなタイプです」と、親しい人にはとことん甘えられるという。「でもそれは心を許しすぎているから、そうなっているだけであって、恋愛だとたぶん難しいと思うんですよね。恋愛でそういう可愛いことをしている自分がキモいなって自分で思っちゃうから、絶対やれないだろうなと思います」と、まさに“ツンデレ”を地でいく。

女優を目指すきっかけは、有村架純らと共演した映画の現場「初めてピンと来た」

木﨑ゆりあ(AKB48)

木﨑ゆりあ(AKB48)

「13歳でSKE48に入った頃は、ずっとふわふわしていて、何になりたいかわからずやっていた」という木﨑が女優を志すようになったきっかけは、有村架純の初主演映画『ギャルバサラ -戦国時代は圏外です-』(2011)に出演したことだという。「その時に初めて本格的な演技のお仕事というものを知って、演技って楽しいなって思いました。『映画ってこういう感じなんだ』『これ超やりたいな』って、初めてピンと来たお仕事でした」。
その後は、TVドラマ「マジすか学園」シリーズなどAKB48グループ出演作品のほか、TVドラマ「GTO」(2014)や中井貴一主演の映画『柘榴坂の仇討』(2014)などに出演し、経験を積んだ。
『柘榴坂の仇討』では、女優の広末涼子と共演。その人柄に魅了され、目標とする女優のイメージに繋がった。「私の撮影は2日間で、一緒にいる時間が少なかったにも関わらず、待ち時間にずっと隣にいておしゃべりしてくださいました。お昼休憩を挟む時に『私の部屋おいで』って楽屋に呼んでくださって、広末さんのマネージャーさんが買ってきてくれたおにぎりを2人で食べた時は『こういう女優さんになろう!』って思いました。人に優しくて、穏やかで、演技もお上手で、素敵な方でした」。

木﨑ゆりあ(AKB48)

木﨑ゆりあ(AKB48)

現在のアイドルは、ライブにグラビア、バラエティ番組、芝居と、幅広い分野での活躍が求められる。その世界に身を置いていた8年間は、苦労も多かったのではないか。木﨑は「たしかに全部を同じクオリティでやっていくのって、すごく難しい」と深く頷きながらも、それが芸の肥やしになっていると語る。「根本的にアイドルの仕事も好きで、それって全部演じることに通じるからなんだなって思うんです。ライブで歌ってる時は、その歌詞の女の子になりきって歌うし、グラビアでは洋服を着て、テーマに沿った子を演じて写真を撮るとか、全てが演技に通じると思うと楽しい。逆に演技の仕事1本になってからアイドル役のお仕事が来るかもしれないし、それもまた楽しめるんじゃないかな」と目を輝かせる。

今後、挑戦してみたいのは「イジメ」などシリアスなテーマの作品。なかでも演じてみたい役どころが独特だ。「イジメる側とイジメられる側以外に、それを見ているだけで何もできない子がいるじゃないですか。私はそれがやりたくて。見ているだけで何もできない、もどかしさを演じたい」と、表現者として新たな挑戦に意欲を燃やす。「イジメって重い問題で簡単に答えが出ない。でも映画やドラマとして観たら皆の心に響くと思うんです。イジメられている子が可哀想だし、イジメている子も何かを抱えていたり。そういう心に響くものを作ってみたいですね」。

約8年間のアイドル人生で培った経験を糧に、卒業後は女優業に専念する。『candy』で見せた新たな一面のように、女優・木﨑ゆりあはきっとこれから新しい顔をもっと見せてくれる。

(スタイリスト:稲美妙乃)

「9つの窓」

発売元・販売元:TCエンタテインメント
発売日:2017年6月28日(水)
価格:DVD通常版3,800円+税 DVD豪華版(AKS限定)5,800円+税
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