三期生の生彩、二期生の気概、一期生の貫禄――乃木坂46が4年目の神宮ライブで見せたそれぞれの物語とグループの絆

「乃木坂46 真夏の全国ツアー2017」

乃木坂46が2日、東京・明治神宮野球場で開催した「真夏の全国ツアー2017」の東京公演は、いくつかのサプライズで会場を沸かせながらも、乃木坂46の物語とその絆をしっかりと見せるものだった。

■先輩の背中を追う三期生の全力パフォーマンス

本公演では乃木坂46の1〜3期生がそれぞれにライブを披露。トップバッターを務めた3期生は、メインステージに登場すると、3期生初のオリジナル曲「三番目の風」でライブをスタート。山下美月が「皆さん盛り上がっていきますよー!」と会場を煽り、「ハウス!」「会いたかったかもしれない」「ロマンスのスタート」と十字型の花道を駆け回った。


今回初めてのツアー参加となった三期生。梅澤美波はステージ裏の通称“音席”まで埋まった会場を見渡して、「360度お客さんがいる!熱気が全身に伝わってくる」と広大な会場に圧倒された様子。「まさか初めて立つ神宮で、私たち3期生がトップバッターを務めさせて頂くなんて想像もしてなかった」と感慨深げに話し、伊藤理々杏は「これを大きなチャンスに変えて、皆さんを楽しませられるように精一杯頑張ります」と意気込んだ。

3期生のメンバー紹介を兼ねたコール&レスポンスで会場との一体感を高め、乃木坂46のデビューシングル「ぐるぐるカーテン」へ。「おいでシャンプー」「走れ!Bicycle」と乃木坂46初期の楽曲を初々しくも力強くパフォーマンスし、その姿はかつての1期生の姿を想起させる。
ラストの3期生楽曲「思い出ファースト」の曲間では、メンバーが1人1人思いの丈をぶつけた。

山下は「三期生の成長した姿をちゃんとお見せできたでしょうか?まだまだ私たちには大きすぎるステージですが、このようなチャンスをいただけて本当に光栄です」、与田祐希は「乃木坂に入って、みんなと一緒に頑張って、少し変われた気がします。私はもっともっと強くなりたいです」と力を込める。
向井葉月は「私は今までの神宮のライブに全部来ていました」と明かして会場をざわつかせながら、「その時は自分がこのステージに立つなんて思っていませんでした。大好きな乃木坂46、私がもっと最高のグループにします」とグループのために尽力することをファンに誓った。
最後は久保史緖里が「東北アンダーライブがきっかけで私の人生は大きく変わりました。今、私がこうして神宮のステージに立っているのも、全てあの日、乃木坂46に出会えたからです。私の運命を変えてくれた先輩方は私の永遠の憧れです!」と出番を控える2期生へバトンを渡した。

■それぞれに苦難を乗り越えてきた二期生たち

2期生のパートは堀未央奈が初めてセンターに抜擢された7thシングル「バレッタ」で幕開け。サブステージに1人立った堀の元に10人が集い、11人でのパフォーマンス。さらに北野日奈子が選抜入りした8thシングル「気づいたら片想い」へと続く。

センターステージに集まると、寺田蘭世が「皆さんにとって、2期生はどう見えていますか?」と観客に語りかけ、山崎玲奈が「4年前の春、私たちは乃木坂46の2期生として加入しました」と続ける。北野が「私たち2期生は先輩たちの存在が大きな壁に感じながらも、このまま坂を登り続けるのだと信じていました。しかし、それから一年半後の秋、13枚目シングルの選抜発表…」、新内眞衣が「そこで私たち2期生の名前は誰一人呼ばれることはありませんでした。続いての曲は、そんな私たちが悔しく辛い日々を過ごした時の曲です。今日2期生が11人でこのステージに立てることを意味があることだと思っています」と語り、13枚目シングルのアンダー楽曲「嫉妬の権利」へ。11人の気持ちのこもったパフォーマンスに会場はぐっと引き込まれていった。

2期生にとって思い入れ深い3曲を披露した後、2期生の中でも最も研究生期間の長かった6人のうちの1人、寺田蘭世は「その期間があったからこそ今の私があると思っています。昨日、2期生11人でライブをやった時に、これからの乃木坂46は私たち2期生が作っていく、絶対作っていこうって思いました」と気概を示し、会場から喝采を浴びた。
鈴木絢音は研究生当時、秋田から通いながら活動していたことを振り返り、「上京して活動を始めて2年が経つんですけど、それでもスタートの差を感じることはたくさんあるし、でもこれからその差を埋めていくことが私にできることなんじゃないかなと思っています」と涙ながらに語った。


伊藤かりんが「ちょっとしんみりしましたけど、ライブなので、皆さん楽しみましょうね!」と仕切り直し、「会場全員を2期生の虜にしちゃいたいと思います!」と声高に宣言。11人は「そんなバカな…」「人はなぜ走るのか?」とライブで人気の楽曲をパフォーマンスしながら、後方のスタンド席にも姿を見せ、広い会場を所狭しと走り回る。
さらに、堀の口から8月9日発売の18枚目シングルに2期生のMV付きの新曲が収録されることを発表した後、「別れ際、もっと好きになる 」「ボーダー」と、30度を超す暑さを微塵も感じさせないキレのあるパフォーマンスで魅了。
最後は「きっかけ」をしっとりと聞かせ、堀が「続いては1期生のステージになります。皆さん最後まで盛り上がってください。ありがとうございました」と挨拶。11人の顔から流れ落ちる大量の汗が気迫のステージを物語る。会場は大きな拍手に包まれ、堀は涙を浮かべた瞳を照れくさそうに両手で覆った。

■6年間の絆を再確認する一期生

スクリーンにはグループの発足からこれまでの軌跡が映し出され、満を持して1期生が登場する。1人ずつ名前を呼ばれたメンバーがスクリーンに映し出されると、ひときわ大きな歓声が沸き起こった。全員がメインステージに出揃うと、ステージ前に炎が上がり、「制服のマネキン」から1期生のパートがスタート。そのパフォーマンスは、いまや人気ナンバー・ワンの女性アイドルグループに成長した乃木坂46をゼロからつくりあげてきた貫禄すら感じさせる。


最初のMCでは、コメントを振られた西野七瀬が「すごい1期生のことが好きです」と唐突に切り出して会場を沸かせる。「照れくさくてあまり言えないけど、本番前に円陣したり写真撮ったり、変なテンションになったりするのも。みんなの顔を見てると初期の頃を思い出して、このメンバーで乃木坂ははじめから頑張ってきたんだなって思うと、心がジワーっとする」と同期への想いを伝えた。
2日の公演では、舞台出演のため初日の公演に参加できなかった生田絵梨花が合流。樋口日奈は「今日は久しぶりに1期生全員が揃ったから、涙が出てきた」と話し、生田に向けて「1人で乃木坂の看板を背負ってすごい大舞台で頑張っていて、そんな時も乃木坂の活動になると大変さを見せずに、いつも明るくやっている姿を見て、素敵だなと思う。生ちゃん好き」と公開告白。「皆さんも1期生みんなの姿を目に焼き付けて帰って欲しい」とファンに語りかけた。

MC明けはユニット曲のコーナーに突入。沈みゆく夕陽を背に「他の星から」でスタートし、年長のお姉さん組4人による「意外BREAK」では、スクリーンに1人1人のクールなリップシンクの映像が映し出される。「あらかじめ語られるロマンス」では、ゲームアプリ「乃木恋」とコラボし、「彦星様がキュンとする七夕の願い」をスタンド席の目の前で1人ずつ披露。生田が「ギュってしてほしいな」と可愛らしく決めると、齋藤飛鳥が駆け寄って抱きしめる一幕も。「欲望のリインカーネーション」では、黒に統一されたシックな衣装でクールなパフォーマンス。日が落ちた球場は真っ赤なサイリウムに染まった。
その後は「指望遠鏡」「ロマンティックいか焼き」とトロッコを使って会場の隅々まで笑顔を届けると、「命は美しい」をはさんで、ラストは「何度目の青空か?」で、1人1人が圧倒的な存在感を放った1期生のパートを締めくくった。


■46人でパフォーマンス 乃木坂46の“いつもの夏と違う”夏

期生別のライブが終わり、全メンバーでの1曲目、3rdアルバム「生まれてから初めて見た夢」に収録された全体曲「設定温度」では、まずメインステージに残っていた1期生のみで歌い始め、2期生、3期生が順に登場。楽曲の後半、46人全員がメインステージに横一列に並んだ姿は壮観だ。
歌い終えると、全員であらためて「乃木坂46です!」と挨拶。キャプテンの桜井玲香は「今ここに46名!結成して6年経ってやっと46人揃っているというのは感慨深いですね」としみじみ。

乃木坂46に加入してまもなく1年が経とうとしている3期生は、これまで3期生単独でのライブや舞台を開催し、なんとか先輩たちに追いつこうと努力を重ねてきた。久保は「先輩方と一緒にパフォーマンスするのってこんなに楽しいことなんだなと、あらためて思いました」と笑顔を見せる。「今日のステージ、私たちはちゃんとアイドルになれていましたか?」と客席に問いかけ、大きな声援をもらうと「ありがとうございます。もっともっと先輩方に近づけるように、3期生12名頑張ってまいります」と、さらなる成長を誓った。

生駒里奈は歌い終えたばかりの「設定温度」の「人を愛せば やさしくなって 限界以上に 我慢してしまうだろう」という歌詞を引用し、「乃木坂46に入ってから感じた感情」だと話す。
「この人のために身をかけて、自分を犠牲にしてでも守りたいって思えるのが乃木坂46のメンバーなんですよ。家族じゃなくて、親友じゃなくて、だけどこんなに大切な人を45人も作ってくれた乃木坂46が本当に大好きだなって思いました」とグループ愛を熱く語り、「ファンの皆さんも、最近いろんなことがあるけど、第一に私たちのことを考えてくださっているなって思って、そういうところが巡り巡って愛という形になるんだなと。こんな素晴らしいものを見させてくれて、本当にありがとうございます」と礼を述べると、観客が拍手で応えた。


その後「君が扇いでくれた」「風船は生きている」とアンダーメンバーが2曲をパフォーマンス。合間には、10月にアンダーライブ九州シリーズを開催すること、さらにアンダーメンバーによるアルバムを秋に発売することが発表された。
白石麻衣が「神宮ー!おまえら騒げー!」と会場を煽り、「ガールズルール」へ。続けて「裸足でSummer」「夏のFree&Easy」「太陽ノック」とアッパーなサマーソングを立て続けに繰り出し、会場の熱気が最高潮に達したところで本編は最後の1曲へ。

例年、「真夏の全国ツアー」のファイナルとして開催されてきた神宮ライブだが、今年はここからツアーがスタート。西野は「いつも夏の終わりを告げるのが神宮公演だったんですけど、今年は夏が始まるんだなっていう感じ」と話しはじめ、「2日間公演をやって、今年の夏は人生で一番最高の夏にしたいって思いました。毎年思ってるんですけど、今日なぜかより強く思って。だから皆さん一緒にこの夏駆け抜けてくれますかー?」と呼びかけ、大きな歓声を受けると「頼もしいです」とニッコリ。
今年5月発売の3rdアルバムに収録された爽やかな夏曲「スカイダイビング」で神宮の夜空に花火が打ち上がり、本編が終了した。

■サプライズ連発のアンコール 東京ドーム公演決定に涙

アンコールを受けて再びステージに姿を現したメンバー。「インフルエンサー」を歌いはじめると、ほどなくしてメンバーとおそろいのツアーTシャツを着たバナナマン・日村勇紀扮する“ヒム子”が舞台袖に登場。スクリーンにその姿が映し出されると会場にどよめきが沸き起こった。最初は気づいていなかったメンバーも、ヒム子が近づくと驚き、悲鳴をあげたり笑ったりと一時パニック状態に。
センターに立ってパフォーマンスを終えた日村は「ごめんなさい、来ちゃいましたー!すいませんねー」とメンバーと会場のファンに挨拶。「今日メンバー46人が全員揃ったんでしょ?46人いるのね?ヒム子もいるんですけど!」とおどけてみせ、「ここにいないけど、向こうサイドに設楽統さんもいらっしゃいます!」と客席に相方の設楽も来ていることを明かして会場を盛り上げた。


ヒム子がステージを去ると、「シャキイズム」「オフショアガール」と2曲を続けて披露。この日がツアー初日となった生田は「今日は自分がアイドルだってことを思い出しました。こうやって大勢の人に直接応援してもらうのが久々だったんですけど、本当に幸せだなっていうのを噛みしめることができた」と満ち足りた表情。「リハの時に、しばらく歌ってなかったから歌のリズムがわからなくなってて、真夏に教えてもらうレベルだった。立ち位置とかもみんなに救われて、こうやって助け合えるメンバーが大好きだし、ファンの皆さんのことも大好きだなって思いました」と、ホームに帰ってきた喜びを語った。

メンバーが乃木坂46のライブを締めくくる恒例の楽曲「乃木坂の詩」の準備に入ったところで、突如スクリーンに2012年夏からのツアーを振り返る映像が流れる。グループの成長とともに大きくなっていったライブ会場が次々と映し出され、今年の全国ツアーファイナルを東京ドームで2DAYS開催することが発表された。

グループ誕生から6年目にして到達した大舞台に、メンバーの目には涙が浮かぶ。
キャプテンの桜井玲香は「2DAYS? 本当に? どうしよう。大丈夫かな?」と戸惑いを隠せない様子だったが、「ここはもう怖いとか言ってらんないですよね。」と腹をくくり、「初日と今日、いい感じでスタートを切っているので、ファイナルは怖いなんて言わずに皆さんを楽しませられるように、いいライブを作っていきたい。精一杯頑張りますので、皆さん、どうぞ楽しみにしていてください」とグループ初となるドーム公演の成功を誓った。

「乃木坂の詩」で会場全体が1つになり、「神宮2日間、無事に終えることができました。『真夏の全国ツアー』、今年は今までとは違って長い期間だし、新しい場所にも行きますが、今回、全員揃ってスタートを切ることができたのが何より嬉しいことですし、雨が振らなかった!今年は大成功を収めることができるんじゃないかという期待で胸が膨らんでいます」と語った桜井をはじめ、充実感に満ちた表情のメンバーたち。「今年の夏、全力で頑張っていきますので、皆さん、ついてきてください!」とファンに呼びかけ、46人は笑顔でステージを下りた。

これをもって終演となるはずが、会場に規制退場を促すアナウンスが流れる中、鳴り止まないダブルアンコールを受けてメンバーが再登場。「ロマンスのスタート」「ハウス!」の2曲をパフォーマンス。
桜井は「千秋楽じゃないのでダブルなんてこないと思ってた」と感激した様子で、あらためて「これからも楽しい時間や瞬間をたくさん届けていけるように、ここにいる46人全員で頑張っていきますので、よろしくお願い致します」と深々と頭を下げて、「乃木坂46 真夏の全国ツアー2017」東京公演は幕を下ろした。

「真夏の全国ツアー2017」東京公演は4年連続となる明治神宮野球場で7月1日(土)・2日(日)の2DAYS開催され、各日4万人、2日間で8万人を動員。この後、仙台、大阪、名古屋、新潟をまわり、全14公演で延べ約18万人を動員する。

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