[Interview] 実力派俳優・林遣都、25歳のいま「これから俳優として差が出るので、しっかり努力したい」

林遣都

デビュー当時はスポーツを題材にした作品で爽やかな好青年を演じることが多かった俳優・林遣都。その高い表現力は多くの映画関係者から評価され、近年では非常に幅広い役柄を演じ、実力派俳優としての地位を確立した。そんな彼の最新作が『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(9月23日公開)だ。本作で林は、ミュージシャンという夢か、実家の家業を継ぐかという選択を迫られる、迷い多き青年を好演している。

(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」場面写真
(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

林が演じた松岡は、ミュージシャンという設定上、歌、ギター、ハーモニカを自在に操らなければいけない役柄だ。しかも撮影準備に取り掛かることができたのが、クランクイン1か月前という過酷なものだった。それでも「以前『火花』というドラマで廣木監督とご一緒したのですが、そのとき、どんなオーダーが来ても、しっかり対応しなければいけないと勉強していたんです。歌、ギター、ハーモニカと、それぞれ先生がいて、最低限のラインは設定されていたのですが、ハーモニカに関しては、(本作の主題歌であり、物語に重要な意味を持つ曲である)『REBORN』を最初から最後までしっかり覚えて臨みました」と当時を振り返る。

その予想通り、本番で廣木監督は、林の演奏シーンを長回しで撮影したという。「やっぱりしっかり準備していってよかったです」と笑顔をみせると「撮影において、しっかり気持ちを作っていかないと、嘘というか足りていない部分が浮き彫りになってしまう。こういう現場を経験できたことは大きなプラスでしたし、なにより、廣木監督がまた僕を作品に呼んでくれたことがうれしかったです」と語った。

また共演した門脇麦からも大きなことを学んだという。「そこまでお芝居で多くの絡みがあるわけではないのですが、僕が歌の練習をするとき『側で歌っている姿をみておきたい』といって、目に見えない関係性までしっかり作っていこうという姿勢をみせるんです。そして、こういう丁寧なお芝居がしっかり二人の関係性に反映されているのを感じたとき、グッときました」。

前述したように、近年、林は本当に幅広い役柄を演じている。『花芯』では、自分への愛を感じない妻に対して徐々に狂気じみていく夫を演じ、『しゃぼん玉』では、犯罪に手を染めてきた孤独な青年、『にがくてあまい』ではゲイの美術教師に扮した。どれも高い評価を得て、実力派俳優として着実に前に進んでいるように思われるが「現在、とても気持ち的には充実していますが、常に不安はあります」と心情を吐露する。

林遣都

林遣都

「共演した西田敏行さんは、あれだけすごいキャリアを持つ俳優さんなのですが、いまでも常にいろいろなことを勉強されていると聞いて、もし努力を怠ったら、俳優という仕事はそこでダメになってしまうんだなって実感したんです。10代のときは、がむしゃらにいろいろなことに挑戦していたのですが、25歳になって感じたのは、これから先、しっかり努力をするかしないかで、俳優としてどんどん差がついてしまうんだろうなって思うんです」。

俳優という仕事にしっかり根を下ろすためには、努力はもちろん「ベースとなる拠り所」が必要だと林はいう。「先日、蜷川幸雄さんのドキュメンタリーを観ていたのですが、蜷川さんに演出をしてもらった俳優さんたちは、どんな厳しい状況になっても、そのときの経験が心の支えになっているんだなと感じたんです。こういうことってとても大事な経験なんだなと思いました。僕にもこれまでいろいろな出会いがありましたが、しっかりと自分のなかで消化して、俳優としての指針となるような考えを確立したいです」。

そんな林の未来について尋ねると「俳優の仕事は、いかに自分に厳しく、高めていけるかが大切。人として他人をしっかりと思いやれる大きな人間になりたいです。そういったおおらかな気持ちでいられる人間になれれば、きっといい俳優になれると思うんです」と目を輝かせながら語ってくれた。(取材・文・写真:磯部正和)

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

9月23日(土)全国公開
配給:KADOKAWA/松竹 (共同配給)
(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
公式サイト:http://namiya-movie.jp/

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