乃木坂46、10万人沸かせた初の東京ドーム公演で決意新た「ここからも坂を登り続けられるグループに」

乃木坂46が11月7日(水)・8日(木)の2日間に渡り、「真夏の全国ツアー2017 FINAL!」と題して、グループ初の東京ドーム公演を開催。ステージ裏の通称“音席”を含め各日5万人、2日間で計10万人の観客を熱狂させた。

ライブのオープニングを告げる「Overture」では、ステージから花道、サブステージまで埋め尽くす460人によるフラッシュモブで派手に幕開け。花火が打ち上がり、メインステージ中央に「制服のマネキン」の衣装を着た乃木坂46のメンバーが登場し、ライブがスタートすると、青と紫のレーザーが会場を飛び交い、客席は色とりどりのペンライトで染まった。
「世界で一番孤独なLover」を挟んで、西野七瀬の「東京ドーム、最高の時間にするぞ!」という第一声を合図にメインステージへ駆け出すと、「夏のFree&Easy」「裸足でSummer」「太陽ノック」とアップナンバーを立て続けに繰り出して、会場の熱気を一気に引き上げていく。

最初のMCでは、地元・大分から「一族が来てる」という衛藤美彩が「それくらいきっと全国からこの東京ドーム公演を祝いに集まってくださっていると思う。私たちもドームへの特別な思いがあるから、その気持ちを共有して、噛みしめてやっていきたい」と意気込みを語る。
また、堀未央奈は「ライブ中に46回変顔します!」と宣言。その場で1回目の変顔を披露して会場を沸かせた。
MC明けにはデビュー当時の映像からこれまでのグループの軌跡がスクリーンに映し出され、2012年2月にリリースしたデビューシングル「ぐるぐるカーテン」を、紫色の長いスカート、短いソックスにローファーという当時の衣装で披露。そして、2013年に2期生の堀未央奈が初めてセンターに選ばれた7thシングル「バレッタ」、2016年にグループに加入した3期生の楽曲「三番目の風」と、グループの節目を彩ってきた楽曲が続く。
ライブ中盤は「他の星から」「でこぴん」「あらかじめ語られるロマンス」といった人気のユニット曲から、「ダンケシェーン 」「ハウス!」といったライブ定番曲を織り交ぜて進行。「ダンケシェーン」では、メンバーがきらびやかな電飾のついた馬車風のフロートに乗り込んでアリーナの外周を一周した。

“からあげ姉妹”こと生田絵梨花と松村沙友理、そして3期生によるコール&レスポンスの後、19thシングルのアンダーメンバーが1人ずつ名前を呼ばれてサブステージに登場。続いて、中元日芽香、北野日奈子、中田花奈、斉藤優里、齋藤飛鳥、星野みなみ、堀未央奈、新内眞衣、衛藤美彩、井上小百合、伊藤万理華といった現在選抜メンバーとして活躍するアンダー経験者も登場し、総勢25人でアンダー楽曲「ここにいる理由」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」をパフォーマンス。グループからの卒業を発表している中元日芽香センターの「君は僕と会わない方がよかったのかな」、同じく伊藤万理華センターの「生まれたままで」と続いた。
後半は「命は美しい」「逃げ水」「インフルエンサー」といったヒットシングルでキレのあるダンスを見せる。「逃げ水」では巨大な白い風船が舞い上がり、「インフルエンサー」では大きなスクリーンに炎、ステージ前に花火が上がったり火柱が立つなど、大きな会場ならではの派手な演出で観客を魅了した。
生田絵梨花のピアノ演奏をバックにしっとりと聴かせた「君の名は希望」、さらに「何度目の青空か?」と、乃木坂46というグループのイメージを形成してきた象徴的な楽曲を披露した後、最後のMCへ。

白石麻衣は「乃木坂に入って6年、悔しいことも辛いことも悲しいこともたくさんありました」と振り返る。「今こうやってドームに立てていること、こんなにも素敵な景色を見られて本当に嬉しく思いますし、みなさんをこのステージに連れてこれたことも嬉しく思います」と、デビューから5年8ヶ月で実現した初の東京ドーム単独公演に感慨。
生田絵梨花は「この6年間、自分の中でも紆余曲折はあったんですけど、この東京ドームでライブを2日間やって、ここまで続けてこれてよかったと心から感じました」としみじみ。「ここで終わりじゃなくて、ここからも坂を登り続けられるグループであれたらいいなと思います。そして私も、今できる力を最大限に絞って活動に取り組みたいし、皆さんともっといろんな景色を一緒に見たい」と、さらなる高みを目指す。
1期生の最年少としてグループに加入した齋藤飛鳥も同様に「東京ドームは1つの目標だったので、メンバーもファンの方も達成感があるかもしれないけど、乃木坂46はここで止まるべきではないと思うし、まだまだやりたいこと、やらなければならないことがたくさんあると思うので、皆さんに1つ1つ見ていただきたいなと思っています」と力を込めた。
そして最新シングル「いつかできるから今日できる」を歌い上げて本編が終了した。

アンコールでは、フロートに乗り込んで「おいでシャンプー」「ロマンスのスタート」、メインステージに戻っての「ガールズルール」と人気のナンバーをパフォーマンス。46人全員での楽曲「設定温度」に続いて、アンコールラストの「乃木坂の詩」では、東京ドームが紫色のペンライトに染まった光景に、思わず瞳を潤ませるメンバーも。
歌唱後、キャプテンの桜井はあらためて「今日この会場にいる皆さんと一緒にこのライブを作ったことが、本当に幸せだなと思っています。これからもメンバーで力を合わせて、皆さんが明日も楽しく生きたいと、これからも乃木坂46と楽しい時間を過ごしていきたいと、毎日たくさん笑顔でいられるように、そんなパワーをみんなで届けていきたいと思います」とファンに誓う。
桜井の挨拶が終わると同時に、暗転した客席に「乃木坂46 アリガトウ」の文字が白いペンライトの光で浮かび上がり、驚いたメンバーの目に感動の涙が溢れた。
Wアンコールに応えての「きっかけ」では、メンバーがメインステージからサブステージへとアリーナを縦断。
伊藤万理華は齋藤飛鳥に促され、笑顔を見せて先頭を歩く。グループ結成時、ともに中学3年生だったことから、自らを“中3組”と名乗る生田絵梨花、中元日芽香、斎藤ちはるの3人は、卒業を控える中元を挟んで肩組んで花道を歩いた。号泣する生田と斎藤の2人に中元が戸惑いの表情を浮かべ場面も。
そんな中元と伊藤もサブステージの中央に立つと、堪えきれず涙。メンバーが一斉に駆け寄って抱きつき、会場は温かな感動に包まれた。

2人手を取り合って再びメインステージへと戻ると、中元は「『君の名は希望』の歌詞にある『未来はいつだって新たなときめきと出会いの場』っていうフレーズが大好きで、万理華と乃木坂ちゃんの未来がときめきに溢れた素敵なものになると信じています。これからも乃木坂のことをよろしくお願いします。6年間ありがとうございました」と、これまで支えてくれたファンへメッセージ。
伊藤は声を詰まらせながら「ありきたりな言葉かもしれないけど、皆さんの応援があって、大好きなメンバー、スタッフさんがいたから、私はアイドルしてこのステージに立つことができたと思っています」と感謝の思いを伝える。「乃木坂46にとっても、私とひめたんにとっても、これからがスタートだと思うので、ここからみんなで突っ走っていきたいと思うので、乃木坂46のメンバーともども応援よろしくお願いします」とファンに語りかけた。
最後はメンバーが退場したステージに2人並んで残り、マイクを使わずに「ありがとうございました!」と精一杯の声を振り絞ってステージを後にした。

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